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映画「モーター・サイクル・ダイアリーズ」

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約 3 分

エルネスト・ゲバラ23歳。後にキューバ革命を起こした英雄の人生観を変える冒険の旅物語。
始まりは1952年、アルゼンチンのブエノスアイレス。ベネズエラのグアヒラ半島を終点に、本でしか知らない南米大陸横断を試みる。
相方は、年上のアルベルトと中古バイクのポデローサ号。若さゆえの情熱と好奇心を頼りに冒険の旅が幕を開ける。
物語の最初の変化点は、鉱山でのとある夫婦との出会い。地上げ屋に自分達の家を追い出され、行く当てもない放浪者。共産主義だった事も重なり、警察に追われる身で、明らかに切羽詰まった雰囲気を醸し出される。

同じ旅人でも存在の重さがまるで異なる二組。夜風に震える中、彼らの悲痛な話を聞き、心が揺らいでいく彼らの表情が見て取れる。
☆☆☆☆☆
ここから少しずつ、旅を通じて何かを得ようとする真剣な姿勢が映し出されていく。
南米クスコで教育を受けられなかった女性の話、小作農で地主に作物を吸い上げられた男の話など世の中に疑念を持たせるエピソードなどがその一例だ。
これらのエピソード挿入は、キューバ革命を起こしたチェ・ゲバラの価値観を連想させる演出のように感じた。

マチュピチュでアルベルトと語る一幕なども心が揺さぶられる。
「インディオ党を結成し、トゥパク・アマル革命を再現するんだ」と未来への情熱を語るアルベルト。それに対する言葉が「銃なしで?成功するはずがない」。
☆☆☆☆☆
物語の後半で、サンパブロのハンセン病の重病患者を療養する施設へ。そこで医者の見習いとして患者と向き合う二人。このストーリーで印象に残ったのは、エルネストの真っ直ぐな性格が伺える所。施設では、患者や健常者への配慮から重症患者を隔離し、握手するにもゴム手袋を強要するルールが存在した。
それに反するエルネスト。彼は規則を破り、ゴム手袋をつけずに握手をする。自分にウソをつけない正直者の性格。そんな彼の真っ直ぐな性格がカッコいい。
また施設の締めくくりとして、エルネストが発したスピーチも興味深い。

「今回の旅でより強く確信しました。無意味な国籍により国が分かれていますが、南米大陸は一つの混血民族で形成されているのです。ゆえに偏狭な地方主義を捨てて、ペルーと統一された南米大陸に乾杯しましょう。」

この言葉は、おそらく旅の中で得た価値観の総まとめだと思う。
☆☆☆☆☆☆☆
旅の締めはベネズエラ カラカス(12,425キロ)、アルベルトとの別れで幕を閉じる。カボ・ブランコで一緒に働かないか?と語りかけるアルベルト。対するエルネストの答え。

「分からない。この長い旅の間に、何かが変わった。その答えを見つけたいんだ、人々のために。」

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