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映画「ベストセラー 編集者 パーキンズに捧ぐ」

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約 3 分

あらすじ

1929年のニューヨーク、スクリブナーズ社に一人の男が現れる。持ち出したのは、束にまとめられた物語。彼の名は、「トーマス・ウルフ」。一日に5000語でも書けてしまうエネルギッシュさで、多彩な表現力を発揮する半面、文章は冗長気味。それが裏目に出てか、ニューヨーク中の編集者から不採用の烙印を捺され続ける。そんな中、スクリブナーズの編集者が始めて作品を受け入れる。

 

そう、その編集者こそ本作のキーマン=マックス・パーキンズ。失われた世代の大物作家・フィッジェラルドやへミンギウェイの小説にも携わった大物編集者だ。パーキンズが受け入れ条件として提示したのが、共同作業での作品編集を許可する事。ウルフが受け入れた事から、二人の天才の真剣な作品作りが始まる。

 

感想

トーマス・ウルフの創作の原点は、生きる事を楽しみ、その時々で溢れるイメージを形にする事だと思う。そんな才能に加え、野性味溢れた彼の言動は、人として面倒くさそうだが魅力的だ。彼の小説家の良い点は、多彩な表現力で幾重にも文章を書けること。一方、着地点を見据えた、読者に読みやすい作品に仕上げる事が苦手。

 

そんな彼にぴったりはまったのが編集者のパーキンズ。本作でウルフとパーキンズの協作によるベストセラーを題材にした理由は、ウルフが物語を書き出し・パーキンズがそれを編集し作品として仕立てるというお互いの役がぴったりハマった関係だからこそだと思う。

 

それにしても、お互いの作品に対する懸ける情熱には驚かされる。彼らにとって二作目の作品である「天使よ故郷を見よ」は、4束でも収まりきらない凄まじい分量が起点となる。それを2年間休みなしに編集を続けて一章ずつてこを加える。パーキンズは家族との旅行を差し置き、パーキンズは恋人そっちのけで編集に没頭させて完成まで漕ぎつける。

 

彼らの活動の原動力は、お互いが存在を認め合っている事だと思う。理由は、映像の節々にお互いが尊重し認め合っている場面が見受けられるからだ。特に、二作目に編集を終えた際のウルフからパーキンズへのお礼の言葉は熱いものを感じた。

 

こういった友情作品は、やはり見ていて羨ましい。それを感じられただけでも、自分にとっては良い映画だった。

 

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