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小説「僕のなかの壊れていない部分」 (白石 一文著)

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感想

生きる事の意味を深く洞察した作品。タイトルの反語である「僕のなかの壊れている部分」とは、世の中を冷めた感情でしか見れない彼の心を指していると感じた

その理由は二つ。一つは幼少期に母親から捨てられ、自分は守るほど大切ではないと悟った事。自分自身に対して冷めた感情が芽生えた。もう一つは、自分の心を常に満たしてくれる出来事(や人)がいない事。

死に身を摺り寄せるような出来事がなく、少し頑張れば何でも出来てしまう彼のようなタイプだと、特に心を満たしてくれる存在を見つけるのは重荷なのだと思う。この繰り返しが、他者をも冷めた目で見てしまう要因に繋がったのではないだろうか。

一方、彼の中に残る「僕のなかの壊れていない部分」は、誰かに必要とされ、それに幸福=生きる事の存在価値を得られる事。この事は、著名人の言葉を借りて何度か作中出てきたので、おそらく著者が最も伝えたい事だと思われた。

◆評価

読みやすさ:★★★☆☆

テーマ  :★★★★★

読後感  :★★★★☆

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