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本「アルケミスト」(パウロコロニーニョ著)

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約 3 分

タイトルのアルケミストを直訳すると=錬金術師。ただ、錬金術師が主題の本ではない。ストーリーの根っこは「宝物を探す」という夢を追いかける、羊飼いの少年の物語。

 

話の中で少年は幾多の困難に遭遇し、その度自分と向き合い「宝物を探す」という道を進み続けるか、諦めるかという分岐点を迎える。そこで諦めの気持ちを抱いたり、これ以上進むと何かを失うかもしれないという恐怖を感じるなど、苦しんでいる姿が何度も描写される。

 

そんな葛藤を感じながらも、彼は結果的に行動の指針となるような前兆や、錬金術師・王様といった登場人物の支えもあり「宝物を探す」事を決意し、それを現実のものとする。このような、諦めずに自分の道に進んだ主人公に感動を覚えたし、そこに共感する人が多いからこそ多くの人に読まれる良本なのかもしれない?と感じた。

 

ただ、僕自身ストーリーの全てを受け入れる事がどうしても出来なかった。それは、リアルな現実世界では何かの行動の前に前兆が起きたり、常に良い結果に進む訳ではないと感じているからだ。

 

確かに、的確に自身の道を切り開くような前兆を汲み取る事が出来れば、良くない運命を回避する事が出来る。ただ、今までに自分が何かの決断に迫られた時、それを決定付けるような前兆が起きた事はなかった。

 

さらに言えば、現実の多くはもっと不確実な事に満ちあふれ、今まで自分自身が積み重ねて来たものを捨てる恐怖や将来に対する不安・未来の不明確さなどに割り切れなくなり決断が下せなくなるのだと思う。そういった多くの不安要素と対峙しながら、前に進まなければならない。

 

もう一点、私が常々感じているのは競争の世界はピラミット的な構造で成り立っているという事。夢を追いかける人の母体が大きければ大きい程、挫折する人の数も大きくなる。夢を実現出来る人は本当に一握り。高校野球をやっていた時、そんな現実をイヤというほど思い知らされた。だから、ピラミッドのてっぺんにあるサクセス・ストーリーを聞いてもどうしてもすぐには受け入れる事が出来なかった。

 

ただ、こんな事を思ってしまう自分だからこそ、特に目標もなく毎日に追われる事で日々を費やしているのだと思います(笑)。この主人公のように自分の内なる想いに誠実である事は大切だと思いますし、実践出来たら良いなと思いました。

 

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kuhh
面白かった本や映画の感想をブログにまとめています。読む本は、他の人のおススメやアマゾンの評価を参考に選んでいます。

映画は、もっぱらアマゾンのプライムビデオで見られる作品になってます。たまに、本や映画とは無関係な日々の忘備録を書く予定です。

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